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SONYミラーレスカメラを長年使い続けて分かった、本当のメリット・デメリット

長年愛用してきたSONYのミラーレスカメラについて、忖度なく本音で語ってみたいと思います。

SONYのカメラを使い始めたのは、映像制作の仕事がきっかけでした。それまではNIKONのデジタル一眼やFUJIのAPS-Cを使っていましたが、暗所の動画に強いカメラを探しているうちに、SONYのα7S IIという機種にいきつきました。これがSONYミラーレスを買おうと思ったきっかけです。

それから、α7C IIFX30α1と、SONYのさまざまな機種を使ってきました。現在はNIKONCANONにマウント移行していますが、α7R IIIだけを残し写真から動画まで幅広くこなしています。

目次

SONYミラーレスを使って良かったこと

まずは、SONYのカメラを使ってきて本当に良かったと感じる点からお話しします。

1. 圧倒的な機動力

何よりもまず、機材の軽さです。ボディが軽量なだけでなく、最近のG Master(GM)レンズのII型は驚くほど軽くなりました。ジンバルでぶれることが減り、ロケ現場での機動力が格段に上がりました。

2. バッテリーの持ちが良い

SONYミラーレスのバッテリーはかなり持ちが良いです。予備バッテリーを1つ持っていれば、一日中の撮影でもほとんど困りません。不安が無いというのが業務おいて重要視されるところです。

3. カールツァイスのAFレンズ

個人的に大きな魅力だったのが、カールツァイスのAFレンズを使えること。AFでこのツアイスの描写が手に入るのはSONYならではの大きなメリットでした。Batis18、25、40CF、85を使っていました。どれも軽くて便利です。

4. 豊富なレンズラインナップ

純正のG Masterレンズだけでなく、SIGMAやTAMRONといったサードパーティーからも素晴らしいレンズが数多く出ています。選択肢が豊富なため、予算や用途に合わせて最適なレンズを選べるのはありがたいです。

5. 高いリセールバリュー

GMレンズは中古市場でも値崩れしにくい傾向にあります。売却しても、レンタル代より安いです。資金の足しになるので安心して投資できます。

6. RAW現像の自由度

SONYのRAWデータは、現像時の調整幅が非常に広いです。特にシャドウ部分を持ち上げたときの階調の粘りは他社に比べて良いです。白飛びや黒潰れを抑えつつ、意図した表現に近づけることができるので、作品づくりがとても楽しくなります。(おかげで時間を溶かしますが。。。)

SONYミラーレスに不満を感じる点

もちろん、不満も沢山ありました。長年使ってきたからこそ見えてきた、正直な不満点もお伝えします。

1. AF性能の物足りなさ

宣伝の割には「言われるほど速くはない…」と感じることがあります。GMレンズは、FE24mmF1.4GM、FE50mmF1.2GM、FE16-35mmF2.8GMii、FE70-200mmF2.8GMiiなどを使ってきましたが、合う時は爆速なのですが、一度AFが迷うと戻ってこない事が多く、シャッターチャンスを失う事がしばしばありました。最近のニコンやキャノンの方が速い気がします。この中でFE16-35mmF2.8GMiiが一番速かった気がします。広角は絞って撮影する事が多いので被写界深度も影響すると思います。

2. 操作性の課題

ファンクションボタンが少なく、ISO感度を変えるには一度カメラを持ち直したりする必要があるため、撮影のテンポが悪くなる場合があります。a7Ciiのファインダーは仕事では使えませんでした。色も解像度も悪く、現像してみないと分からない怖さがありました。予想以上に良く撮れてることが多かったですが、現場で不安になるのが残念でした。

3. レンズ描写への不満

これは人によると思いますが、個人的に不満を感じることが多いのがレンズの描写です。高価なG Masterレンズでも、解像度がいまいちだと思う事があります。今メインで使っているNikonZ8とa1を比べてしまうと時代の差もありますが、明らかにNikonの方が解像度が高いです。SONYは1枚ガラスが被っている感じです。

4. ポートレートでの課題

女性を撮影する際に顕著なのですが、SONYのカメラは解像度が高すぎるのか、肌が硬く写ってしまうことがあります。現像で調整すれば柔らかくできますが、肌色の平面的な感じやコントラスト階調が急になることがあり、肌が凸凹している感じに写ってしまいます。建物や商品などの人工物はパリっとするし、動画の絵もしっかり出るのでそのあたりはトレードオフかもしれませんね。

5. 色表現のクセ

暗所で撮影した時、色が転びやすいと感じることがあります。特に青系の色が不自然に強調されたり、不正確な色に転んだりすることがあり、現像での修正が大変です。また、自然風景を撮ると、空や緑が絵の具のように人工的に感じられることがあり、リアリティに欠ける場合があるのも気になってしまいました。SNSにアップすると「絵の具で描いたみたいですね!」と言われることがあり、本人の意図とは違うので残念でした。

低いアングルから撮影

FE 14mm F1.8 GM 低いアングルから撮影

他のブランドと比較して思うこと

NIKONやFUJIのカメラも使っていたので、それらと比較するとSONYの特性がよりはっきりと見えてきます。

NIKONは、色味や肌の表現が自然で、特に人物撮影では安心して使えます。操作性も安定していて、長年培われたカメラとしての信頼感があります。

FUJIのカメラは、そのコンパクトさに加えて、フィルムシミュレーションという強力な武器があります。撮って出しで美しい色が楽しめるのは本当に魅力的で「写真を撮る楽しさ」感じさせてくれます。

SONYは「動画メイン」だと思います。高画質の動画を安定して撮影できる性能は、プロの現場でも欠かせないものとなっています。一方で、NIKONやFUJIは「写真での強み」を追求している印象です。特に人物の肌表現に関しては大きく差が出ると思っています。

まとめ

SONYのミラーレスは「動画が主体」の仕事や「機動力を重視した撮影」には最高の相棒になります。

ただ、人物の肌の質感や自然な色表現にこだわる場面では、NIKONやFUJI、CANONといったメーカーの方が得意なのではないかと思いました。それぞれのブランドには得意不得意があるので目的に合わせて変わってきますね。

用途に合わせてカメラを使い分けていくのが一番だと考えています。動画撮影や動きの多い現場ではSONYを。人物撮影やじっくりと風景を切り取りたい時はNIKONやFUJIなど、それぞれの強みを活かした撮影スタイルを模索していきたいと思います。

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