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朝の根津神社、朱の鳥居がつなぐ静けさの境界線

根津神社という場所に流れる時間

東京都文京区にある根津神社は、東京十社のひとつであり、江戸時代から続く格式ある神社として知られています。特に春にはつつじが咲き誇る名所としても有名ですが、早朝に訪れるとまったく違う表情を見せてくれます。

この日は、人影のない境内を歩きながら、光と影のコントラストに導かれるように、鳥居の並ぶ小道へ足を運びました。

朝の光が浮かび上がらせる「祈りの通路」

根津神社の境内に設けられた千本鳥居は、稲荷神を祀る乙女稲荷神社へと続く小道にあります。朱色の鳥居が幾重にも連なり、まるで時空を超えるトンネルのよう。ここを歩くたび、現実の喧騒から意識が遠のいていくような、不思議な感覚に包まれます。

朝の光は、木々の合間からやさしく差し込み、朱の鳥居を淡く照らします。鳥居の柱に落ちる斜めの影。それは偶然ではなく、まるでその瞬間のために準備されていたかのような、完璧な構図。

なぜこの瞬間を撮ったのか

写真を撮る理由は、景色が美しいから、だけではありません。その場所が発する「気配」に引き寄せられることがあります。

鳥居は、ただの通路ではなく「境界」を表すもの。神聖な領域へと至るために、自分自身の心を整える「準備の場」です。特にこの根津神社の鳥居の並びは、視覚的な美しさとともに、心の内面を映し出す鏡のような役割を果たしているように感じました。

根津神社の朝に見つけたもの

この鳥居の道は、日中は多くの参拝客で賑わいますが、朝の時間帯はまるで時が止まっているかのような静けさがあります。足音だけが響く石畳。風に揺れる木の葉の音。鳥のさえずり。

そのすべてが、「今ここにいる」ことを意識させてくれる、贅沢な時間でした。

撮影メモ

  • 撮影地:根津神社(東京都文京区)
  • 使用機材:Sony a7sii+28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)
  • 現像ポイント:自然な光の流れを意識し、朱色の鮮やかさを丁寧に調整

おわりに

根津神社の朝は、空気感が素晴らしい場所。

機会があれば、朝の根津神社を歩いてみてください。きっと、写真には写らない何かを、静かに感じることができるはずです。

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