最近のカメラやレンズの解像度は本当に必要?
最近のカメラやレンズは解像度が高いことが特徴です。画素数のことではありません。ノイズが少なく、画素一つ一つが鮮明で細かい皺や塵まで映し出すほどです。果たして、SNSでの写真やプロフィール写真などにおいて、解像度は求められるでしょうか。
特に女性ポートレートでは、肌の質感などが浮き彫りになってしまうため、バリバリの解像度はむしろ悪影響となります。むしろ、10年前くらいのレンズの方が依頼者のニーズにマッチするのではないかと思います。
重い、値段が高い、解像度高い…果たして必要?
現代の高解像度レンズは確かに性能が優秀ですが、重量があり価格も高く、解像度も極めて高い仕様となっています。しかし、撮影用途によってはこれらの特徴がすべてメリットになるとは限りません。特にSNSやWebプロフィール用途では、これらの高性能が活かされにくい場面が多く存在します。わざわざ高いお金を出して高解像度レンズが必要かどうかしっかり吟味する必要があります。それに、重いレンズは機動力が下がりますしね。
解像度が求められる撮影と敬遠される撮影
解像度が求められる撮影
・風景撮影(細部のディテールが重要)
・商品撮影(商品の質感や仕様を正確に伝える)
・アップの画像をクロッピングしたい場合
・広告撮影(印刷品質が重要)
解像度が敬遠される撮影
・女性ポートレート(肌の質感が目立ちすぎる)
・SNSプロフィール写真
・Web用途全般
・自然で親しみやすい印象を求める場合
F値が低ければいいわけではない。パンフォーカス気味にしてフラッシュを使う
F1.2やF1.4といった極端に明るいレンズが常に最適解とは限りません。場面によってはF2.8~F4程度にしてパンフォーカス気味に撮影し、フラッシュで光をコントロールする方が効果的な場合があります。
これにより、被写体全体にピントが合い、自然で親しみやすい印象の写真を撮影できます。
アップの場合はぼかしてもいいが、アップが必要かどうかも重要
アップで撮影する場合、背景をぼかすことで被写体を際立たせることができます。しかし、そもそもアップでの撮影が必要かどうかを検討することも重要です。
引きの構図で撮影することで、より自然で親しみやすい印象を与えることができる場合も多くあります。
スナップの場合は空気、光を捕らえる事が重要。レンズに頼り過ぎない
スナップ撮影において最も重要なのは、その場の空気感や光の美しさを捉えることです。高級レンズの性能に頼りすぎるよりも、光の読み方や構図、タイミングといった基本的な撮影技術を磨くことの方が重要です。
ポートレートにおすすめのレンズ
Nikon
・Nikon F:85mm F1.8G / 50mm F1.8G(適度な解像度)
・Nikon Z:Z 85mm F1.8 S / Z 50mm F1.8 S(※これでも解像しすぎる場合あり)
Sony
・Sony E:FE 85mm F1.8 / Batis 85mm F1.8(適度な解像度)
Canon
・Canon EF:85mm F1.8 USM / 50mm F1.8 STM(バランスの良い描写)
・Canon RF:RF 85mm F2 Macro IS STM / RF 50mm F1.8 STM
まとめ
ポートレート撮影において重要なのは、レンズの性能よりも「光」「空気感」「被写体との関係性」です。特に女性ポートレートやSNS用途では、適度な解像度のレンズの方が依頼者のニーズに合致することが多くあります。
高級レンズは作品撮りや印刷を前提とした撮影に限定し、用途に応じたレンズ選択を心がけることが重要です。F1.8単焦点 + 適切な光 + 自然な表情 の組み合わせが、多くの場面で最も効果的な結果をもたらします。